メバル 

メバル
産卵
習性
食性
仲間
分布と適温
釣り場
習性まとめ
※メバル専科廣済堂より引用

 

 メバル
春告魚、目張、目波留とも書くが、目が大きくて、食べてもおいしい。北海道、九州を除く全国ほとんどの沿岸に住んでいて、釣りやすく、だれにでも簡単に釣れる大衆魚として、昔からよく知られている魚である。
 見た目に姿はいかめしいが、気は優しくておくびょう者といわれ、敏しょうな行動はできない。グレ(メジナ)やイシダイのような強い力はなく、ハマチやボラのように水面を泳ぐのとは違って住み家は海底で、動きは鈍い。
50〜60尾と集団で住んでいて、流れてくるエサを悠然と待ちながらとらえる。そのかわり、メバルが集まっているような所に当たると、おもしろいように数が釣れるので、釣り人はみな群泳していそうな場所を選ぶのに力を入れるものである。

 産卵
メバルは磯魚としては珍しく、卵胎生である。他の魚のように卵を生んで、これがふ化して稚魚になるのではなく、親魚の腹の中ですでに魚になつた赤ちゃんを産むのである。
 ところが、この数がビックリするほど多い。このメバルは、生まれて2年も過ぎると、はや産卵を始めるが、5000〜1万尾、三年魚になると3万尾、さらに5年以上の成魚になると、じつに10万尾も産む。
  これがメバルの体内で子魚にかえり、体外に排出されることになる。ひと口に10万尾というが、卵からかえった当時の赤ん坊は、だいたい3ミリというから、これらが体外に放出されるときは、おそらく壮観であろう。親から放出された子供の魚は、腹に丸いかたまりの卵黄という一種の栄養袋を下げていて、これを自然に吸いながら約2倍の5mから6mの大きさになり、いよいよ一人前に波間にさまよう浮遊の生活に入る。この間、彼等には、とても危険な時代で、他魚に食われてしまうものが続出する。
 やがて、体長も20mmにもなってくると、魚らしい姿となり、湾内の静かな、藻の生えている所や石垣、岩場を見つけて住み着き、これからが独立した一人前の生活が始まることになる。
 この頃は、ちょっと見てもメバルとは思えないほどの小魚だが、40mm、50mmになってくると、メバル独特の姿になってきて、一見してメバルということがすぐわかるようになる産卵期はだいたい2月ごろの寒い時から始まる。やがて春が来て、水温も温かくなるころから、これらメバルの子供達は、30〜40尾と集団でさらにエサの多い、住みやすい所、時には荒い岩礁地帯に移動し、いよいよ一人前のメバルとして成長していくのである。
  ところが、1尾から生まれる、この数多い産卵数から考えると、もし他魚に食べられずに皆が、あるいは半分でも3分の1でも生存して成育したとしたら、それこそ我が国の近海はメバルでいっぱいになるのだが、自然とはよくできているもので、大半は他魚のエサとなり、むなしくこの世から去ってしまうことになるのだ。

 習性
魚の住む場所は、だいたい沖と磯に分かれるが、メバルは磯魚に属し、一生のほとんどを岩礁帯または波止の波消ブロック等のすき間や海藻の間を住み家として過ごしている。
 また、自慢の目が大きいのが原因かも知れないが夜行性で、夜でもよく目が見えるので、メバルに限って夜釣りが盛んに行われている。もちろん、昼でも夜と同じくよく見えるので、他の魚たちと同じく、昼釣りでも十分楽しめる魚でもある。
 メバルは、意外とおくぴょう者で、集団で住んでいるが、海面で異様な音が聞こえたり、光が見えたり、風が強く、波が立ち、荒れ始めると、集団の中にだれか指導者がいるのか、危険を感じてか、いっせいに岩の間に逃げ込んでしまい、いかに上からつキエ〈コマセ)をしても、目の前に好物のエサが落ちて来ても、まったく知らぬ顔で、波が静まり、穏やかになるのを待っている。

 反対に、曇りで、風も吹かず、波一つない、油を流したように静かな日は、メバルの大好きな日でもあり、昔よりメバルナギといわれている。メバルの動きも活発で、それこそ一握りのマキエにも、10mもある深底からでも競って飛ぴついてくるほどで、メバル釣りの絶対の好条件となっている。
 メバル釣りにマキエが大切なことは周知の通りだが、これも釣り方の一つになっていて、単に一地方にのみ行われているものではなく、メバルの釣り場ならどこでも通じるもので、習性を利用したものといえよう。

 メバルは近眼でもある。魚は大体近眼が多いとされている。メバルは、あの大きな目をしているだけに何でもよく見えると思われがちだが、遠くを見るのは弱い。しかし、近くの物を見るのは上手で、どんな小魚でも近くに寄って来ると、一瞬に飛びついてパクリとやってしまう。
  近くがよく見えるため、ハリ、糸などあまり太いと警戒して食べないし、近寄らないこともあるので、釣りではできるだけ細い仕掛けを使用するのがよいだろう。

 食性
さて、メバルは何を食べているのだろうか。 肉食性で、ほとんど魚類を食べている。石や岩の間、また海藻の繁茂している所には小魚類が多い。エビ、カニ、イカ、タコの稚魚等は、最も好きなものの一つである。
 ところが、メバルの口は大きいが、生きたエサをとらえてもこれをかみ砕く力が弱い。まことに弱い歯の持ち主である。だから、エビ、カニ、イカ、タコ、いずれもあまり大きくないもので食べてもかみ砕けないので、小物ばかりを選んで食べている。
  メバルのエサをみると、シラサエビ、ブッ エビ、オキアミなど、動く小動物であり、またイカナゴ、ドジョウ、メダカ等にしても、皆いずれも小さく、かつ生きているのが好物となっている。虫類にしても、イソメ、ゴカイ、マムシ等も、身は軟らかく小さく、そのうえ生きているので、これらも好んで食べるわけである。

 仲間
メバルの仲間は多く、我が国の沿岸だけでも帥種類の多くが住んでいる。釣りの対象となるのは、メバルだが、住んでいる地域により、環境により、体色も変わり、キンメバル、クロメバル、アカメバルなどと呼ばれている。
 仲間には、トゴットメバル、ウスメバル、タケノコメバル、と、メバルの名の付くものがあるが、同族であって、磯で簡単に釣れるものと違い、沖メバルとも言って、遠く船で沖に出て釣るものである。

 分布と適温
メバルは、元来が北方系の魚で、日本沿岸に住みつき、温帯にもよくなれて来たものである。そのため、寒さにも強く、厳寒期にも釣れるわけで、降雪の激しい雪国でも冬期に釣れる魚として親しまれている。
 二月の厳寒期、瀬戸内海あたりでも、カーバイトランプを照らして夜釣りをやっている所もある。寂しい漁村の波止の一角に釣り座を定め、薄白く照らすランプの下、夜の寒さはひとしお身にしみるが、流れる小さな電気ウキがしま模様の波間に静かに没する。
  すかさず合わせる。ばっちりと手ごたえがあってやがて、あいきょうのある、キョトンとした目を大きく開け、あるだけのヒレを拡げながら釣り上がってくる寒メバルの釣趣など まさにメバル釣りならではの醍醐味を満喫させてくれるものである。

  さて、低温に強いといわれるメバルも、高温に対してはどうだろう。参考になる記録を見ると、だいたい水温25℃くらいが限界で、これ以上ではエサヘの食欲も皆無となるという。
以上の事を考え、メバル釣りの可能水温は、10℃前後から25℃くらいが最適のようである。
 ※広島湾での取材では20℃を超える(8月初め〜10月末)と釣果落ちるようである。



 釣り場
メバル釣りの楽しさ、おもしろさは、何と いってもだれにでも簡単に釣れることである。
最も簡単に釣ろうと思えばへそれこそ竿が1本、オモリ、ハリ、糸さえあれば足りる。
  メバルはけっして、竿が良いから悪いから、仕掛けが太いから細いからといって食わないものではない。ハリにエサが付いてぶら下がっていれば、必ず釣れるものである。もちろん、使うエサはメバルが好きなもの、ハリも魚の口の大きさに合うものであって、小さな皿Jに満たない魚に大きなハリを付けても、これでは釣りにはならない。
  さらに必要なことは、メバルが必ずいる場所を見つけることである。いかに名人と呼ばない。
 しかし、メバルは海岸のいたる所に住んでいる。砂地を除けばほとんど石垣か藻が茂っているか、石が積んであって、高潮を防ぐための消波ブロック周辺等、釣り場は広い。ただし、汚水が流れ込んだり、底が砂地や泥地だったり、潮が全く動かない池のような湾内などは避けるべきである。 しかし、メバル釣りも簡単にできるとはいっても、だんだんなれてくると、さらに良ノい釣り場を求め、さらに良き漁獲を求めるょうになるのはやむをえない。たしかにこれが釣りの面白さである。現在は交通の便も非常に良くなり、多くがマイカーの持ち主でもある。そのうえ、釣りニュースはかなり正確なものが容易に入手できる。
 となれば、どうしても少し遠くても大型が釣れるところ、数か出るところを物色して遠征ということになる。

 しかし、好ニュースだけを聞いて飛んで行って、すぐ大釣りができるということはなかなかない。どの魚に限らず、釣りはそんなに甘いものではない。とくにメバル釣り等は、釣り場は無限といってよいほど多い。
 長い時間を費やして遠征しなくても、近くにも必ず釣り場があるはずである。あまり近くで簡単に行ける所は魚が少ないとか小さいとか、初めから早合点をしがちである。
 金さえ出せば渡船で渡る波止がある。イカダがあり、カセがある。専属で船頭がついてくれる仕立船の船釣りもある。上を見れぱ限りがない。

 習性まとめ
@動きがにぶい。
A近眼である。
G近くに来た工サを取るのはすばやい。
Cおくびょう者で、何か変わった事が起きると、すばやく穴に逃げ込む。
E仕掛けは細いほうがよい。
E食べるとおいしい。
Fたくさんの卵(子)を産む。
G寒さに強い。水温10℃でも釣れる。
◎群れで住んでいる。
I活きた小さな動物牲の工サを好む。
J荒海より静かな内海が好き。
K夜行性だが、昼も夜も目が見える。したがって昼でも夜でも釣れる。
L卵胎性で、胎内で卵がかえる。